プライム市場の上場企業への義務付けが始まる、気候関連情報の開示枠組み「TCFD」とは
プライム市場の上場企業への義務付けが始まる、気候関連情報の開示枠組み「TCFD」とは
2021-10-21
加藤 章太朗
加藤 章太朗
TCFD
CDP
GHGプロトコル

STAYMOVEでは、これまで環境問題に対する企業の情報開示について、様々なフレームワークを紹介してきました。今回は、TCFDという気候関連情報の開示の枠組みについて解説します。TCFDに沿った気候関連の情報開示は、東京証券取引所が2022年4月に予定する市場再編で最上位市場となるプライム市場に上場する企業に義務付けられる予定です。

<目次>

・TCFDとは

・他の環境関連の国際基準との関係

・情報開示の方法

・ガバナンスに関する情報開示

・戦略に関する情報開示

・リスク管理に関する情報開示

・指標・目標に関する情報開示

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TCFDとは

TCFDとは、G20の要請を受け、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏を委員長として設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」のことを言います。TCFD提言への賛同を表明した機関は、2020年7月時点で1,350期間を超えています。

TCFDができた背景

以下の記事で詳しく説明しているように、気候変動が投資家の判断に大きな影響を与えて始めています。

世界で3,000兆円の規模となるESG投資とは?

世界の機関投資家は、投資判断にESG(環境、社会、ガバナンス)の観点を入れるようになっており現在ESG投資は、約3,300兆円の規模になっているとも言われています。運用資産額9兆ドル(約990兆円)を超えるとされる世界最大のBlackRockは、自社のコーポレートサイトで、投資先の企業に対して気候変動への対応を強く迫るメッセージを出しています。今や気候変動への対応は、企業の社会的責任の範囲を超え、資金調達に影響を与える経営上の大きなリスクや逆に機会ともなりつつあるのです。

しかしながら、企業の情報開示はまだまだ十分ではなく、金融機関は気候関連のリスク・機会を企業の戦略や財務計画と関連づけて理解できない状態でした。そのような状態では、金融機関は適切な投融資や保険引受の判断が行えず「金融の安定性が損なわれるのではないか」という懸念が強まりました。

そこで、G20の要請により、金融安定理事会(FSB)は、2015年12月に民間主導の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」を設置し、企業が気候関連のリスク・機会に対する情報開示を行うためのフレームワークを整備することとしました。

TCFD提言の4テーマ

TCFD提言では、全体提言と「ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標」の4つのテーマに対して、推奨される情報開示の方法が解説されています。4つのテーマについては、セクター別の解説が加えられる予定となっており、解説の作成は進捗中です。セクター毎に解説を作成しているのは、業種ごとに気候変動の影響が異なり、画一的なフレームだと企業が情報開示を進めづらいからです。

他の環境関連の国際基準との関係

以下の記事で解説した、CDPやGHGプロトコルなど、他の国際基準とTCFDの関係を本記事でも説明します。

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TCFDと他の環境関連の世界基準との関係
TCFDと他の環境関連の世界基準との関係

TCFD、CDP、GHGプロトコルシリーズの関係は上図の通りです。TCFDのガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標、というテーマにCDPのテーマも整合しています。また、その中でも重要なGHG排出量を算定・報告する部分については、GHGプロトコルシリーズの方法論を遵守するよう推奨されております。なお、上図の点線で表している整合性は大枠の整合性であり、厳密に整合しているという意味ではありません。

情報開示の方法

TCFDは、気候関連リスクを「ほぼすべての産業が悪影響を被る分散不可型のリスクであるため、多くの投資家にとって特別な注意を払う対象」と捉えています。そのため、組織に対し、年次財務報告で気候関連財務情報の開示を行うよう提言しています。とはいえ、TCFD提言は、あくまでも組織が既存の開示義務を効果的に満たすことを助けるものです。そのため、重要なことはまず組織が自国の開示要件に則って財務情報の開示を行うことです。そのため、もしTCFDの特定の要素が国の財務報告情報開示要件と合致しない場合、TCFDは組織に対し、それらの要素を年1回以上発行される他の公式な企業報告書の中で開示し、投資家に配布することを奨励しています。

これらを前提とした上で、TCFDの4つのテーマを開示する方法を以下のように定めています。

TCFDに沿った情報開示の方法
TCFDに沿った情報開示の方法
気候関連財務情報開示に関するガイダンス 2.0を参考に作成

企業にとって、不確定で長期の見通しに基づく情報は、財務報告書に載せづらく、特に戦略の中の仮想的なモデルを使う「シナリオ分析」を財務報告書に載せるかは大きな論点です。TCFD提言に沿った情報開示はまだ発展段階であり、事例を元にベストプラクティスの検討が進んでいくことが期待されています。TCFDを遵守した情報開示の事例は以下です。

TCFDを遵守した情報開示の事例

気候関連財務情報開示に関するガイダンス 2.0を参考に作成

各社とも、4テーマの多くをアニュアルレポートもしくは有価証券報告書でカバーしており、シナリオ分析の詳細は別の報告書で情報を開示しています。

それでは、4テーマをどのように開示したら良いか、具体的に見ていきましょう。

ガバナンスに関する情報開示

ガバナンスでは、気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスを開示します。

ガバナンスの項目で推奨される開示(a):

気候関連のリスクと機会に関する取締役会の監督を説明します。

<全てのセクターのためのガイダンス>

気候関連の問題に対する取締役会の監督を説明する際、組織は以下の項目を含めることを検討すべきです。

・取締役会および/または取締役会の委員会(監査委員会、リスク委員会、その他の委員会など)が気候関連問題について情報を提供されるプロセスと頻度。

・取締役会および/または取締役会の委員会が、戦略、主要な行動計画、リスクマネジメント方針、年次予算、事業計画の見直しと指導を行う際に気候関連問題を考慮しているかどうか。また、取締役会および/または取締役会の委員会が、組織の業績目標の設定、実施と業績の監視、主要な資本支出、買収、事業分割の監督を行う際に、気候関連問題を考慮しているかどうか。

・取締役会が、気候関連問題に対処するための目標とターゲットに対する進捗をどのように監視・監督しているか。

ガバナンスの項目で推奨される開示(b):

気候関連のリスクと機会を評価し、管理する上での経営陣の役割を説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

気候関連の課題の評価と管理に関する経営者の役割を説明するにあたり、組織は以下の項目を含めることを検討すべきです。

・組織が気候関連の責任を経営者レベルの役職または委員会に割り当てているかどうか。割り当てている場合には、そのような役職者または委員会が、取締役会または取締役会の委員会への報告を行っているかどうか。そして、それらの責任に気候関連の課題の評価および/または管理が含まれているかどうか。

・関連する組織構造の説明。

・経営者が気候関連の課題について知らされるプロセス、および経営者(特定の役職および/または経営委員会を通じて)がどのように気候関連の課題を監視するか。

以下、MSCIのESG格付けによりAAAを獲得(2021年9月時点)しているオムロン社によるガバナンスの情報開示の事例です。TCFDに沿った情報開示を行っています。取締役会によって気候変動のリスクや機会を監督しており、その体制を開示しています。

ガバナンスに関する情報開示の例
ガバナンスに関する情報開示の例
「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

以下のように、環境マネジメントを行う統括責任者を社長・CEOとし、ガバナンス体制を築いています。

ガバナンスに関する情報開示の例
ガバナンスに関する情報開示

「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

戦略に関する情報開示

気候関連のリスクと機会が、組織の事業、戦略、財務計画に与える実際および潜在的な影響について、重要である場合には開示します。

戦略の項目で推奨される開示(a):

組織が短期、中期、長期の気候関連のリスクと機会を説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は以下の情報を提供することが求められます。

・組織の資産やインフラの耐用年数と、気候関連の問題は中長期的に顕在化することが多いという事実を考慮して、短期、中期、長期の時間軸でどのような検討を行っているかを説明します。

・各時間軸(短期、中期、長期)において、組織に重要な財務的影響を与えうる具体的な気候関連の課題を説明します。

・どのリスクと機会が組織に重要な財務的影響を与えうるかを決定するために使用したプロセスを説明します。組織は、必要に応じて、部門別および/または地域別にリスクと機会の説明をすべきです。

戦略の項目で推奨される開示(b):

気候関連のリスクと機会が、組織の事業、戦略、財務計画に与える影響を説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

推奨される開示(a)に基づき、組織は、特定された気候関連の問題が、組織の事業、戦略、財務計画にどのような影響を与えたかを説明すべきです。組織は、以下の分野における事業と戦略への影響を含めることを検討すべきです。

・製品及びサービス

・サプライチェーン及び/又はバリューチェーン

・適応及び緩和活動

・研究開発への投資

・事業(事業の種類及び施設の所在地を含む)

組織は、気候関連問題が財務計画プロセスにインプットとしてどのように役立つか、使用する期間、及びこれらのリスクと機会をどのように優先順位付けするか、を説明することが求められます。組織の情報開示は、組織が価値を創造する能力に長期的に影響を与える要因の相互依存関係の全体像を反映する必要があります。また、組織は、以下の領域における財務計画への影響を情報開示に含めることを検討すべきです。

・営業コストと収益

・資本支出と資本配分

・買収または売却

・資本へのアクセス

気候関連のシナリオが組織の戦略と財務計画に情報を与えるために使用された場合、そのシナリオを説明すべきです。

戦略の項目で推奨される開示(c):

2℃以下のシナリオを含む、さまざまな気候関連のシナリオを考慮した組織の戦略の回復力を説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、2℃以下シナリオに沿った低炭素経済への移行シナリオと、また当該組織にとって関連性がある場合は、物理的気候関連リスクの高まるシナリオを考慮し、その戦略が気候関連リスク及び機会に対してどれだけレジリエンスを有しているかについて記載すべきです。

TCFD提言では、シナリオ分析の手順として、以下の6ステップを提示しています。

1.ガバナンス整備

戦略策定やリスク管理プロセスにシナリオ分析を組み込みます。また、関連する取締役会等の監視を行い、巻き込むべき内外のステークホルダーと巻き込み方を特定します。

2.リスク重要度の評価

気候変動関連のリスクと機会について検討し、評価します。リスク・機会が将来的に財務上の重要な影響を及ぼす可能性があるか、組織のステークホルダーが関心を抱いている事象か、といった視点で検討し、自社にとっての重要度を評価します。具体的には、①対象となる事業に関するリスク・機会項目を列挙する、②列挙されたリスク・機会項目について、起こりうる事業インパクトを定性的に表現する、③リスク・機会が現実のものとなった場合の事業インパクトの大きさを軸にリスク重要度を決定する、といった流れで実施する。業界や自社の目線でリスクを取捨選択することや、リスク重要度評価をどの粒度で行うかの検討がポイントとなります。

3.シナリオ群の定義

組織に関連する移行リスク・物理的リスクを包括した複数のシナリオを定義します。どのようなシナリオが組織にとって適切か、存在するシナリオ群からどのシナリオを参照すべきか、という視点でシナリオの仮定や分析の手法を選択します。シナリオ群の定義は、具体的に①シナリオの選択、②関連パラメータの将来情報の入手、③ステークホルダーを意識した世界観の整理、の流れで実施します。

①のシナリオ選択では、第一段階として2°C以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択していきます。利用できる汎用性の高い外部のシナリオは、IEAのWEO(World Energy Outlook)、SSP(Shared Socioeconomic Pathways)、PRIのIPR(Inevitable Policy Response)等が存在します。

②関連パラメータの将来情報の入手では、第二段階としてリスク・機会項目に関するパラメータの客観的な将来情報を入手し、自社に対する影響をより具体介します。例えば、ある自動車会社が機会の項目としてEVの普及を挙げている場合、分析時間軸の該当年のEV普及率の情報を入手する、といった作業となります。移行リスクに関する情報は、IEA、SSP、PRIのレポートから入手できます。物理リスクに関する情報は、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)や物理リスクマップ、ハザードマップ等の気候変動影響評価ツールなどから入手できます。

4.事業インパクト評価

コストや収益にどのようなインパクトが生じ得るかを評価します。定性的もしくは科学的根拠が乏しい情報に関しては、継続的なモニタリングや外部有識者へのヒアリング等を実施することが推奨されます。検討済/未検討リスクを整理し次のアクションを明確化することが重要です。

5.対応策の定義

ビジネスモデルの変革、ポートフォリオの変革、技術への投資、などリスクへの対応策を定義します。気候変動と経営との統合・企業価値向上がゴールです。

6.文書化と情報開示

プロセスを文書化し、関連組織とコミュニケーションを取ります。主要な入力変数、仮定、分析手法、結果、とりうる経営上の選択肢について、情報開示する準備を整えます。

以下、MSCIのESG格付けによりAAAを獲得(2021年9月時点)しているオムロン社による戦略の情報開示の事例です。IPCC/RCP8.5、IEA/SDSといったシナリオを採用し、作成しています。

戦略に関する情報開示の例
戦略に関する情報開示の例

「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

戦略に関する情報開示の例
戦略に関する情報開示の例

「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

リスク管理に関する情報開示

組織がどのように気候関連のリスクを特定、評価、管理しているかを説明します。

リスク管理の項目で推奨される開示(a):

気候関連のリスクを識別し評価するための組織のプロセスを説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、気候関連のリスクを特定・評価するためのリスク管理プロセスを説明すべきです。この記述の重要な側面は、組織が他のリスクと比較して気候関連リスクの相対的な重要性をどのように決定するかです。組織は、気候変動に関連する既存及び新規の規制要求事項(例えば、排出量の制限)及びその他の関連する要因を考慮しているかどうかを説明すべきです。また、組織は以下の項目の情報開示が求められます。

・識別された気候関連リスクの潜在的な大きさと範囲を評価するためのプロセス

・使用したリスク用語の定義又は使用した既存のリスク分類フレームワーク

リスク管理の項目で推奨される開示(b):

気候関連のリスクを管理するための組織のプロセスを説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、気候関連のリスクを管理するためのプロセスを説明すべきであり、これには、それらのリスクを軽減、移転、受容、または管理するための意思決定を行う方法が含まれます。また、組織は、組織内での重要性判断の方法を含め、気候関連リスクの優先順位付けのプロセスを説明すべきです。

リスク管理の項目で推奨される開示(c):

気候関連のリスクを特定、評価、管理するためのプロセスが、組織の全体的なリスク管理にどのように統合されているかを説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、気候関連のリスクを特定、評価、管理するためのプロセスが、組織の総合的なリスクマネジメントにどのように統合されているかを説明すべきです。

以下、MSCIのESG格付けによりAAAを獲得(2021年9月時点)しているオムロン社によるリスク管理の情報開示の事例です。どのように気候関連のリスクを特定、評価、管理しているかを説明しています。

リスク管理に関する情報開示の例
リスク管理に関する情報開示の例

「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

指標・目標に関する情報開示

気候関連のリスクと機会を評価し管理するために使用した指標とターゲットを、そのような情報が重要である場合に開示します。

指標・目標の項目で推奨される開示(a):

組織の戦略とリスクマネジメントプロセスに沿って、気候関連のリスクと機会を評価するために組織が使用した指標を開示します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、気候関連のリスクと機会を測定し管理するために使用する主要な測定基準を提供すべきです。組織は、水、エネルギー、土地利用、廃棄物管理に関連する気候関連のリスクについて、関連性があり適用可能な場合には、測定基準を含めることを検討してください。気候関連の問題が重要な場合、組織は、関連するパフォーマンス指標が報酬方針に組み込まれているかどうか、またどのように組み込まれているかを記述することを検討してください。関連性がある場合、組織は社内の炭素価格、および低炭素経済のために設計された製品およびサービスからの収益など、気候関連の機会の測定基準を提供すべきです。指標は、トレンド分析ができるように、過去の期間について提供すべきです。また、明らかになっていない場合は、気候関連指標の計算または推定に使用した方法の説明を提供すべきです。

指標・目標の項目で推奨される開示(b):

スコープ1、スコープ2、および必要に応じてスコープ3の温室効果ガス(GHG)排出量、および関連するリスクを開示します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、スコープ1とスコープ2のGHG排出量、必要に応じてスコープ3のGHG排出量と関連するリスクを提供しなければなりません。GHG排出量は、組織や管轄区域を超えて集計・比較できるように、GHGプロトコルの方法論に沿って計算すべきです。必要に応じて、一般に認められている業界固有のGHG効率比率を提供することを検討すべきである。また、明らかでない場合は、測定基準の計算または推定に使用した方法の説明を提供すべきです。

指標・目標の項目で推奨される開示(c):

気候関連のリスクと機会を管理するために組織が使用している目標と、目標に対するパフォーマンスを説明します。

<全てのセクターに対するガイダンス>

組織は、予想される規制上の要求事項や市場の制約、その他の目標に沿って、GHG排出量、水使用量、エネルギー使用量などに関連する主要な気候関連の目標を説明すべきである。その他の目標には、効率性または財務上の目標、財務上の損失許容量、製品のライフサイクル全体を通じたGHG排出量の回避、または低炭素経済向けに設計された製品およびサービスの純収益目標などが含まれます。目標を記述する際、組織は以下の項目を含めることを検討すべきです。

・目標が絶対値であるか原単位ベースであるか

・目標を適用する期間

・進捗を測定する基準年

・目標に対する進捗を評価するための主要なパフォーマンス指標

明らかになっていない場合は、組織はターゲットと指標の算出に使用した方法の説明を提供すべきです。

以下、MSCIのESG格付けによりAAAを獲得(2021年9月時点)しているオムロン社による指標・目標の情報開示の事例です。気候関連のリスクと機会を評価し管理するために使用した指標とターゲットを開示しています。

指標・目標に関する情報開示の例
指標・目標に関する情報開示の例

「オムロン株式会社 2020年度ESG説明会資料」より引用

指標・目標に関する情報開示の例

以上がTCFDの全体像となります。より細かい内容については、今後個別相談会やウェビナーにてお話しする予定です。メールマガジンでの告知を行いますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひメールマガジンへのご登録をお願いいたします。

<参考>

本記事は、「Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosures Final Report」「気候関連財務情報開示に関するガイダンス 2.0」を参考に執筆しています。

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