【温室効果ガスの算定・報告】バリューチェーン全体をカバーする、GHGプロトコル「スコープ3基準」とは
【温室効果ガスの算定・報告】バリューチェーン全体をカバーする、GHGプロトコル「スコープ3基準」とは
2021-10-14
加藤 章太朗
加藤 章太朗
GHGプロトコル
GHG算定・報告
スコープ3基準
炭素会計
カーボンアカウンティング

本記事は、企業が温室効果ガス(GHG)を算定・報告するための基準「GHGプロトコルシリーズ」の連載記事です。企業がまず抑えるべきGHGプロトコルシリーズは「企業基準」というもので、以下の記事で紹介しています。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべきGHGプロトコル「企業基準」とは

今回は「企業基準」を更に進化させた「企業バリューチェーン(スコープ3)算定・報告基準」(以下「スコープ3基準」と呼びます)について、解説します。「スコープ3基準」は、報告企業(*)の直接的な活動や電力の購入等からのGHG排出(スコープ1、スコープ2)だけではなく、バリューチェーン(サプライチェーン)全体のGHG排出を算定・報告するためのフレームワークです。

(*)GHG排出量を算定・報告する企業のこと

それでは、具体的に見ていきましょう。なお、本記事を理解するには、上記の「企業基準」の記事を理解する必要がありますので、併せてよむことをおすすめいた

<目次>

・スコープ1、スコープ2、スコープ3とは

・スコープ3を算定・報告する重要性

・報告書とスコープ3の関係

・バリューチェーン上流のスコープ3

・バリューチェーン下流のスコープ3

・バリューチェーン全体のGHG排出量算定の具体例

・スコープ3に関連するデータ収集

・「スコープ3基準」に準拠した報告



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<参考>

本記事は「Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standard」を参考に執筆しています。

スコープ1、スコープ2、スコープ3とは

GHGの排出量を算定・報告する際には、そもそも「どこまでのGHGを算定・報告するか?」という範囲を決めなければなりません。その範囲を決めるために「組織境界」と「事業境界」という考え方を使います。例えば、GHGの排出量を算定・報告するA社の出資状況が以下だったとします。

<A社の出資状況>

B社:100%出資

C社:100%出資

D社:30%出資

この場合、A社はB社、C社、D社が排出するGHGをどこまで報告すべきでしょうか。それらを定義するのが「組織境界」という考え方です。そして、組織境界で決定した会社レベルの境界を更に細かくしたのが「事業境界」です。

組織境界と事業境界

A Corporate Accounting and Reporting Standardを参考に作成

事業に関連したGHGの排出を特定し、それらのGHG排出を分類分けしていくことで、事業境界を設定できます。GHG排出の分類分けはスコープという概念によって行われます。

スコープ1:直接的なGHG排出

報告企業が所有または管理している排出源からのGHG排出をスコープ1として報告します。直接的なGHG排出は、主に企業が行う以下のような活動の結果として発生します。

固定燃焼:

報告企業が所有または管理しているボイラー、炉、バーナー、タービン、ヒーター、焼却炉、エンジン、フレアなどの固定燃焼機器における燃料の燃焼。

移動燃焼:

報告企業が所有または管理する移動式燃焼源(自動車、トラック、バス、列車、飛行機、ボート、船舶、など)の燃料の燃焼。

プロセス排出:

報告企業が所有または管理している設備による物理的または化学的プロセス。例えば、セメント製造における脱炭酸工程からのCO₂、石油化学処理における接触分解からのCO₂、アルミニウム製錬からのPFC排出など。

漏洩排出:

報告企業が所有または管理している設備による意図的または非意図的な放出。例えば、ジョイント、シール、パッキン、ガスケットからの機器の漏れ、炭鉱やベントからのメタン排出、冷蔵・空調機器使用時のハイドロフルオロカーボン(HFC)排出、ガス輸送時のメタン漏れなど。

スコープ2:電力の間接的なGHG排出

報告企業が所有または管理する設備や業務で消費される購入電力の発生に伴うGHG排出をスコープ2として報告します。これは、発電所で購入電力の生成に伴い発生したGHG排出を算定・報告するということになります。多くの企業にとって、購入電力は最大のGHG排出源のひとつであり、これらの排出を削減する最も大きな機会でもあります。スコープ2の排出量を計上するメリットは以下です。

・電力コストやGHG排出量の変化に伴うリスクと機会を評価することができる。

・他のGHGプログラムで必要となる可能性が高く、排出量データを転用できる。

・スコープ2の排出量を把握したうえで、エネルギー効率の高い技術や省エネに投資することで、電力の使用量を削減することができる。

スコープ3:その他の間接的なGHG排出量

スコープ3は、企業のバリューチェーン上のスコープ2以外のすべての間接的な排出です。スコープ3の排出量は、企業の活動の結果として発生するものですが、企業が所有または管理していない排出源から発生します。

スコープ1、スコープ2、スコープ3の全体像
Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standardを参考に作成

なお、「組織境界」や「事業境界」についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべき「GHGプロトコル企業算定・報告基準」とは

スコープ3を算定・報告する重要性

企業がスコープ3のGHG排出を算定し、インベントリ(*)を作成することで、企業は、自社の上流・下流の活動を含めたバリューチェーン全体のGHG排出を把握することができます。

(*)インベントリとは、算定したGHG排出量のアウトプットを指します。

これにより、企業はバリューチェーン上の潜在的なリスクと機会を理解し、行動を修正することができます。

潜在的なリスクの理解

・将来、エネルギー税、排出権税、その他の規制により、バリューチェーン上で購入している商品や部品のコストが大幅に増加する可能性があります。スコープ3を算定することで、購入物のGHG排出量を可視化することができるので、GHG排出量が少ない商品に変えるなど、改善行動をとることができます。

・バリューチェーン上のGHG排出がもたらす潜在的な影響を理解していないと、バリューチェーン内の事業体に対する否定的な報道等で風評被害を受ける可能性があります。スコープ3を算定することで、風評被害を未然に防ぐための行動を取ることができ、ステークホルダーに信頼性のある形で伝えることができます。

・顧客の志向が変化し、バリューチェーンを含めたGHG排出量の多い製品に対する需要の減少や、GHG排出量の少ない競合他社の製品に対する需要が増加する可能性があります。スコープ3を算定することで、自社の製品のGHG排出量を包括的に理解でき、将来の顧客離反のリスクを可視化できます。

潜在的な機会の理解

・スコープ3を算定することで、バリューチェーンを含めたGHG排出量の少ない商品やサービスを生産・販売するための新たな市場機会を見出すことができます。

・スコープ3を算定することで、ESG格付け会社など、外部のステークホルダーに対しより詳細な情報を開示することが可能となり、資金調達力を向上させることができます。

・スコープ3を算定し想定していなかった大きなGHG排出源を見つけることができれば、自社のGHGに関する目標を効率良く達成できる可能性が上がります。

報告書とスコープ3の関係

「企業基準」に準拠した報告書として認められるためには、スコープ1、スコープ2のGHG排出量の算定・報告は必須となります。ただし、スコープ3のGHG排出量の報告は任意となっており、自由に報告する項目を選択することができます。一方で「企業基準」および「スコープ3基準」に準拠した報告書として認められるためには、スコープ1~スコープ3のGHG排出量の算定・報告が必須となります。この場合、スコープ3のGHG排出量についてもすべて算定しなければなりません。その上で報告から除外する項目があれば、その旨を開示し正当化する必要があります。

報告書の種類とその場合のスコープの取り扱い

このように自社のGHGに関する報告書を「企業基準」および「スコープ3基準」に準拠した報告書、として公開するためには、スコープ3を全て算定するというハードルがあります。多くの場合は、まず「企業基準」のみに準拠した報告書を作り、スコープ3は任意で算定・報告をし、少しずつ範囲を広げることをお勧めいたします。結果としてスコープ3の算定をしっかりと行える体制になったら、「スコープ3基準」にも準拠した報告書を作成するようにしましょう。

なお、いずれにしても「企業基準」に準拠した報告書を作る必要があり、「スコープ3基準」にも準拠させる場合でも、報告書の策定ステップは「企業基準」のステップが基本となります。以下の記事で「企業基準」の算定・報告ステップを解説してますので、参照しながら以下読み進めてください。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべきGHGプロトコル「企業基準」とは

上記記事の「ステップ3:GHG排出源の特定」で、バリューチェーンを可視化したり、スコープ3の「GHG排出源の特定」を行う必要があります。そのためには、スコープ3の定義を細かく具体的に理解する必要があり、以下のパラグラフではバリューチェーンの上流と下流に分けてスコープ3の15のカテゴリーを見ていきます。

バリューチェーン上流のスコープ3

バリューチェーンの上流のスコープ3は、以下のように8つのカテゴリーに分類できます。

バリューチェーン上流のスコープ3

Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standardを参考に作成

カテゴリー1:購入した物品およびサービス

報告年度に購入した、カテゴリー2~8に含まれないすべての物品およびサービスからのGHG排出が含まれます。購入した製品やサービスを報告企業が受け取るまでのライフサイクル(開発から出荷まで)で発生するすべてのGHG排出を含み、具体的には以下に示す上流の活動に伴うGHG排出です。

・原材料の採取

・農業活動

・製造、生産、および加工

・消費される電力の生成

・廃棄物の処理・加工

・土地利用および土地利用の変化

・材料および製品のサプライヤー間の輸送

・その他の活動

なお、購入した製品の使用による排出は、スコープ3ではなく、スコープ1(例:燃料の使用)またはスコープ2(例:電力の使用)で計上されます。

カテゴリー2:資本財

報告年度に購入または取得した資本財の生産に伴う、すべての上流(開発から出荷まで)で発生するGHG排出が含まれます。資本財とは、企業がすぐに消費したり、加工せず、製品の製造、サービスの提供、商品の販売・保管・配送などのために、現在の形で使用する最終財のこと。

カテゴリー3:スコープ1、2に含まれない燃料・エネルギー関連の排出

スコープ1またはスコープ2に含まれない、報告企業が報告年度に購入・消費した燃料やエネルギーの生産に関連するGHG排出が含まれます。スコープ1には、報告企業が所有または管理する排出源による燃料の燃焼からのGHG排出が含まれます。スコープ2には、報告企業が購入・消費する電気、蒸気、暖房、冷房を生成するための燃料の燃焼からの排出が含まれます。燃料の燃焼以外の採取、生産、輸送などに伴うGHG排出がスコープ3のカテゴリー3ということになり、以下の4種類に分類できます。

a.購入した燃料の上流(燃焼除く)でのGHG排出

燃焼を除く、購入した燃料の「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。例えば、石炭の採取、ガソリンの精製、天然ガスの送配電、バイオ燃料の生産など。スコープ3のカテゴリー3としては、燃料の最終消費者に適用される。

b.購入した電力の上流(燃焼除く)でのGHG排出

燃焼を除く、購入した電力の生成に消費される燃料の「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。例えば、石炭の採取、燃料の精製、天然ガスの採取など。スコープ3のカテゴリー3としては、電力の最終消費者に適用される。

c.送電・配電により損失したエネルギーの生成に伴うGHG排出

送電・配電(T&D)システムで消費(損失)されるエネルギーの「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。こちらは燃焼によるGHG排出も含みます。

d.最終使用者に販売される購入電力の生成に伴うGHG排出

最終使用者に販売した電力の「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。この活動は、独立系発電事業者から供給される卸電力を購入し、顧客に再販する電力会社に特に関連します。

カテゴリー4:バリューチェーン上流の輸送・流通

報告企業が購入または取得した製品(燃料・エネルギー製品を除く)を、報告企業が所有または運営していない車両や設備で輸送・流通することにより発生するGHG排出が含まれます。また、報告会社が報告年度に購入したその他の輸送・流通サービス(入庫・出庫を含む)によるGHG排出も含みます。

具体的には、以下となります。

・報告企業が報告年度に購入した製品の、同社の第一階層サプライヤー(*)と自社事業所間の輸送および流通(製品の配送に複数の輸送業者が関与するマルチモーダル輸送を含む)。

・報告企業が報告年度に購入した第三者の輸送および流通サービス(直接または仲介業者を通じたもの)。これには、インバウンド物流、アウトバウンド物流(販売された製品の輸送など)、および企業の自社施設間における第三者の輸送および流通が含まれます。

<任意項目>

輸送・流通に使われた車両、施設、またはインフラの製造に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー5:事業活動で発生する廃棄物

報告年度に報告企業が所有または管理する事業で発生した廃棄物の第三者による処理・処分からの排出が含まれます。あくまでも第三者が所有または運営する施設での廃棄物処理のみが含まれ、報告企業が所有または管理する施設での廃棄物処理は、スコープ1とスコープ2に計上されます。

廃棄物処理活動には以下が含まれます。

・埋立地での処分

・埋立ガス発電(LFGTE)を伴う埋立地での処分(埋立ガスを燃焼させて発電する)

・リサイクルのための回収

・焼却

・堆肥化

・都市固形廃棄物の燃焼による発電

・廃水処理

<任意項目>

廃棄物の輸送に伴うGHG排出量の算定・報告は任意となります。

カテゴリー6:出張による移動

航空機、列車、バス、乗用車など、第三者が所有または運営する車両で、業務に関連する活動のために従業員が移動する際の排出量が含まれます。報告企業が所有または管理する車両での移動からの排出は、スコープ1(燃料使用)またはスコープ2(電力使用)のいずれかに計上されます。スコープ1またはスコープ2に含まれない報告企業が運営するリース車両からの排出量は、スコープ3のカテゴリー8(上流のリース資産)に計上されます。従業員の通勤・通学に伴う排出量は、スコープ3のカテゴリー7(従業員の通勤)に計上されます。

<任意項目>

移動で利用する車両またはインフラの製造に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー7:従業員の通勤

従業員の自宅と職場の間の移動に伴う排出量が含まれます。

<任意項目>

テレワークで生じるGHG排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー8:バリューチェーン上流のリース資産

報告年度に報告企業がリースしていて、報告企業のスコープ1またはスコープ2のインベントリに含まれていない資産の運用からの排出が含まれる。このカテゴリーは、リース資産を運用する企業(すなわち借手)にのみ適用される。資産を所有し、他者にリースしている企業(すなわち、貸手)については、カテゴリー13(下流のリース資産)を参照のこと。

リース資産は、リースの種類と企業が組織の境界を定義するために使用している連結アプローチ(*)に応じて、企業のスコープ1またはスコープ2のインベントリに含まれる可能性があります。

(*)連結アプローチについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべきGHGプロトコル「企業基準」とは

また、報告企業が報告年度の一部のみに資産をリースしている場合、その資産がリースされていた年度のGHG排出量の一部を計上しなければなりません。

<任意項目>

リース資産の製造または建設に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

バリューチェーン下流のスコープ3

カテゴリー9:バリューチェーン下流の輸送・流通

報告企業が報告年度に販売した製品の、報告企業の事業所と最終消費者との間の、報告企業が所有または管理していない車両や施設での輸送と流通からの排出が含まれます。このカテゴリーには、小売店や倉庫での製品の保管からのGHG排出も含まれます。報告企業が購入した往路の輸送・流通サービスは、報告企業がサービスを購入しているため、カテゴリー9からは除外し、カテゴリー4(上流の輸送・流通)に含めます。

<任意項目>

利用する車両、施設、またはインフラの製造に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー10:販売した製品の加工

報告企業が販売した後に、第三者(例:製造業者)が販売した中間製品を加工する際の排出量が含まれます。中間製品とは、使用前に更なる加工、変換、または他の製品への組み込みを必要とする製品であり、したがって、報告企業による販売後、最終消費者による使用前の加工によるGHG排出をもたらします。

多くの用途が考えられる中間製品の場合、中間製品の用途に関連する下流のGHG排出量を合理的に見積もることが難しい場合があります。顧客や他のバリューチェーンのパートナーからデータが収集できない場合でも、「Technical Guidance for Calculating Scope 3 Emissions」

カテゴリー11:販売された製品の使用

報告年度に報告企業が販売した商品やサービスの使用による排出量が含まれます。予想される使用期間における、販売された製品の直接的な使用段階でのGHG排出量を算定します。

<任意項目>

予想される使用期間における、販売された製品の使用段階での「間接的」なGHG排出量の算定・報告は任意です。例えば、衣類を販売している企業が、衣類には洗濯や乾燥が必要ですが、洗濯や乾燥に伴うGHG排出量は衣類を製造している会社にとってはスコープ3カテゴリー11の間接的なGHG排出となります。その場合、算定・報告は任意となります。その他にも、食品を販売している企業が調理や冷蔵に伴うGHG排出量を算定・報告するケースなどがあります。

カテゴリー12:販売された製品の使用済み処理

報告企業が報告年度に販売したすべての製品の使用済処理(廃棄物処理など)に伴う予想GHG排出量が含まれます。カテゴリー12の計算方法は、「Technical Guidance for Calculating Scope 3 Emissions」を参照。

カテゴリー13:バリューチェーン下流のリース資産

このカテゴリーには、報告企業(貸手)が所有し、報告年度に他の企業にリースされている資産の運用からの排出量で、スコープ1またはスコープ2に含まれていないものが含まれます。カテゴリー8で説明したように、リース資産は、リースの種類と企業が組織の境界を定義するために使用している連結アプローチ(*)に応じて、企業のスコープ1またはスコープ2のインベントリに含まれる可能性があります。

(*)連結アプローチについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべきGHGプロトコル「企業基準」とは

また、報告企業が報告年度の一部のみに資産をリースしている場合、その資産がリースされていた年度のGHG排出量の一部を計上しなければなりません。

報告企業は、顧客に販売した製品を計上するのと同じ方法で、顧客にリースした製品のGHG排出量をを計上することができます(すなわち、報告年度に他の企業にリースしたすべての関連製品の予想生涯排出量の合計を計上する)。

この場合、企業はリース製品からの排出量をカテゴリー13(下流のリース資産)ではなく、カテゴリー11(販売した製品の使用)で報告し、カテゴリー間の二重計上を避けるべきです。

<任意項目>

リース資産の製造または建設に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー14:フランチャイズ

スコープ1やスコープ2に含まれないフランチャイズの運営からの排出が含まれます。例えば、フランチャイズの各店舗で使用する電力の生成に伴うGHG排出などです。このカテゴリーは、フランチャイザー(*)に適用されます。

(*)フランチャイズの加盟店に対し商号や商標を与える企業。

<任意項目>

フランチャイズの製造または建設に関連するライフサイクル排出量の算定・報告は任意です。

カテゴリー15:投資

スコープ1やスコープ2に含まれていない、報告企業の報告年度における投資に関連するスコープ3の排出量が含まれます。このカテゴリーは、投資家と金融サービスを提供する企業に適用されます。投資は、企業がその組織境界をどのように定義しているかによって、企業のスコープ1またはスコープ2に含まれる場合があります。例えば、持分アプローチを採用している企業は、投資からのGHG排出をスコープ1とスコープ2に含める場合があります。

本基準では金融投資を以下の4つに分類しています。

・株式投資

・債券投資

・プロジェクト・ファイナンス

・資産管理とクライアントサービス

金融機関のGHG排出量の算定・報告については、以下の記事に詳しく記載してあります。GHGプロトコルシリーズではありませんが、金融機関に特化した算定・報告の基準なので、もしよろしければ参考にしてみてください。

【温室効果ガスの算定・報告】世界158の金融機関が遵守。金融機関向けGHG算定・報告の世界基準とは

バリューチェーン全体のGHG排出量算定の具体例

では、具体的にスコープ1からスコープ3までのGHG排出量の算定の具体例を見てみましょう。

バリューチェーン全体のGHG排出量算定の具体例

Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standardを参考に作成

上図は、電力が最終消費者まで届くバリューチェーンを表しています。

A社のGHG排出量

スコープ1:5t-CO₂e

石炭を採掘・加工・輸送を行った際に発生する5t-CO₂eを算定・報告します。

スコープ2:なし

石炭の採掘・加工時に電力を使用しない場合、算定・報告するGHGはありません。

スコープ3:100t-CO₂e

A社が販売した製品(石炭など)の燃焼、すなわちB社の③に関連して発生するGHG排出量の100t-CO₂eをスコープ3として算定・報告しています。こちらはカテゴリー11(販売した製品の使用)で報告しますが、カテゴリー11については後のパラグラフで説明します。

B社のGHG排出量

スコープ1:100t-CO₂e

A社が採掘した石炭を使って発電した際に生じる100t-CO₂eをスコープ1として算定・報告します。

スコープ2:なし

算定・報告するGHGはありません。

スコープ3:5t-CO₂e

B社が消費する燃料の採掘・加工・輸送を行った際、すなわちA社の①に関連して発生する5t-CO₂eを算定・報告します。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

C社のGHG排出量

スコープ1:なし

送電・配電システムからSF₆が放出されない限り、算定・報告するGHGはありません。

スコープ2:10t-CO₂e

C社が購入し、消費した(送電・配電損失された)電力の燃料の燃焼に伴う10t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、100tのCO₂を排出するので、C社が消費する10MWhの電力を生成するのに、10tのCO₂を排出していることになります。

スコープ3:0.5t + 4.5t + 90t = 95t-CO₂e
0.5t-CO₂e

C社が消費する電力の発電に使用される燃料(石炭)の採掘、加工、輸送、すなわちA社の①に伴う0.5t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、5tのCO₂を排出するので、C社が消費する10MWhの電力を生成するのに、0.5tのCO₂を放出することになります。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

4.5t-CO₂e

D社に販売する電力の燃料の採掘・加工・輸送を行った際、すなわちA社の①に関連して発生した4.5t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、5tのCO₂を排出するので、D社に販売する90MWhの電力を生成するのに、4.5tのCO₂を放出することになります。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

90t-CO₂e

D社に販売する電力の燃料の燃焼により発生する90t-CO₂eを算定・報告します。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

D社のGHG排出量

スコープ1:なし

算定・報告するGHGはありません。

スコープ2:90t-CO₂e

D社が購入し、消費した電力の燃料の燃焼に伴う90t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、100tのCO₂を排出するので、C社が消費する90MWhの電力を生成するのに、90tのCO₂を排出していることになります。

スコープ3:4.5t + 0.5t + 10t = 15t-CO₂e
4.5t-CO₂e

D社が消費する電力の発電に使用される燃料(石炭)の採掘、加工、輸送、すなわちA社の①に伴う4.5t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、5tのCO₂を排出するので、C社が消費する90MWhの電力を生成するのに、4.5tのCO₂を放出することになります。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

0.5t-CO₂e

D社が購入した電力の損失分、すなわちC社の送電・配電システムで消費された(損失された)電力の採掘、加工、輸送、すなわちA社の①に伴う0.5t-CO₂eを算定・報告します。100MWhの電力を生成するのに、5tのCO₂を排出するので、C社の送電・配電システムで消費された10MWhの電力を生成するのに、0.5tのCO₂を放出することになります。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

10t-CO₂e

D社が購入した電力の損失分、すなわちC社の送電・配電システムで消費された(損失された)電力の燃焼により発生する10t-CO₂eを算定・報告します。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。100MWhの電力を生成するのに、100tのCO₂を排出するので、送電・配電システムで消費される10MWhの電力を生成するのに、10tのCO₂を排出していることになります。こちらはカテゴリー3(燃料およびエネルギー関連の活動)で報告します。

スコープ3に関連するデータ収集

スコープ3のGHGを算定するためには、サプライヤーや社外のパートナーに働きかけ、データを収集する必要があります。スコープ1やスコープ2と比べ、データ収集の難易度が高いと言えるでしょう。そのため、スコープ3のデータに関しては、優先順位をつけ優先度の高い領域のデータ収集の取り組みを優先することが重要です。

以下、データ収集とデータの評価のプロセスです。

<データ収集とデータの評価のプロセス>

1.データ収集の優先付け

2.収集するデータの選択

3.データギャップの解消

4.時間をかけてデータの質を向上させる

1.データ収集の優先付け

データの優先順位付けはいくつかの方法があります。

GHG排出量の大きさに基づく優先順位付け

GHG推定手法を用いて、どのスコープ3の活動がGHG排出へ大きな影響を与えるかを予想し、影響の大きいものから小さいものへと優先順位を付けます。

GHG推定手法を用いた計算方法は、「Technical Guidance for Calculating Scope 3 Emissions」を参照。

財務支出や収入に基づく活動の優先順位付け

GHG排出量の大きさの推定に基づいて順位付けするのではなく、財務的な重要性に基づいてスコープ3の活動を優先することができます。財務支出分析を用いて、上流の購入した製品の支出を全支出に占める割合などでランク付けすることができます。下流のGHG排出については、同様に、販売した製品の種類を会社の総売上高への貢献度でランク付けすることができます。

ただし、支出や収益とGHG排出量との相関性が低い場合があるため、注意が必要です。例えば、市場価値が高くても、GHG排出量が比較的少ない活動があります。逆に、市場価値が低くても、GHG排出量が比較的多い活動もあります。そのため、企業は、財務支出が小さいもしくは収益にはあまり貢献しないが、GHG排出への影響が大きいと予想される活動にも優先度を高めるべきです。

その他の基準に基づく活動の優先順位付け

企業やそのステークホルダーにとって最も関連性が高いと予想される以下のような活動を優先度高く設定する優先順位付けもできます。

・企業が影響力を持つ活動

・企業のリスクエクスポージャーに寄与する活動

・利害関係者が重要であると考える活動

・セクター別ガイダンスで重要であると認識されている活動

・企業または産業セクターが策定した追加基準を満たす活動

2.収集するデータの選択

収集するデータ=活動データと排出係数

「企業基準」に関する以下の記事のステップ4で解説していますが、GHG排出量の計算方法は様々ですが、多くの場合は活動データと排出係数を掛け合わせます。

【温室効果ガスの算定・報告】全企業がまず抑えるべきGHGプロトコル「企業基準」とは

そのため、収集するデータは、活動データと排出係数ということになります。スコープ3の算定で利用できる活動データの例は以下です。

<活動データの例>

・燃料消費量(リットル)

・電力消費量(キロワットアワー)

・消費した材料(キログラム)

・移動した距離(キロメーター)

・稼働時間(時間)

・占有面積(平方メートル)

・廃棄物発生量(キログラム)

・販売した製品(キログラム)

・費やしたお金の量

スコープ3の算定で利用できる排出係数の例は以下です。

<排出係数の例>

・燃料消費量1リットルあたりのCO₂排出量(キログラム)

・電力使用量1kWhあたりのCO₂排出量(キログラム)

・材料使用量1kgあたりのPFC排出量(キログラム)

・走行距離1kmあたりのCO₂排出量(トン)

・稼働時間あたりのSF₆排出量(キログラム)

・面積1m²あたりのN₂O排出量(グラム)

・廃棄物発生量1kgあたりのCH₄排出量(グラム)

・販売した製品1kgあたりのHFC排出量(キログラム)

・通貨使用量あたりのCO₂排出量(キログラム)

エネルギー関連の排出係数

エネルギーの生成に関するGHG排出の計算で用いる排出係数は少し特殊なので、詳しく説明します。エネルギーの活動データをGHG排出に転換するためには、主に3種類の排出係数が使われます。

1.燃焼排出係数

燃料を燃焼させたときに発生するGHG排出のみを含みます。スコープ1とスコープ2のGHG排出を計算するために用いられます。

2.ライフサイクル排出係数

燃料の燃焼によるGHG排出だけでなく、燃料の採取、生産(加工など)、輸送など、燃料のライフサイクルで発生するすべての排出を含みます。カテゴリー3を除くスコープ3のGHG排出を計算するために用いられます。

エネルギー関連の排出係数

Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standardを参考に作成

3.スコープ3カテゴリー3の排出係数

スコープ3のカテゴリー3は「スコープ1、スコープ2に含まれない燃料・エネルギー関連の活動」です。スコープ3のカテゴリー3の以下2つの活動の排出係数を選択する場合、特別な配慮が必要です。

a.購入した燃料の上流(燃焼除く)でのGHG排出

燃焼を除く、購入した燃料の「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。例えば、石炭の採取、ガソリンの精製、天然ガスの送配電、バイオ燃料の生産など。

b.購入した電力の上流(燃焼除く)でのGHG排出

燃焼を除く、購入した電力の生成に消費される燃料の「採取から出荷まで」で発生するGHGすべてを含みます。例えば、石炭の採取、燃料の精製、天然ガスの採取など。

上記2つの活動は燃焼を除く範囲を対象とするため、排出係数は「燃焼を除外したライフサイクル排出係数」を用いるべきです。

一次データと二次データ

一次データは、バリューチェーン内の特定の活動から得られたデータのことです。バリューチェーン内のサプライヤーやその他パートナーから提供されたデータを含みます。

二次データは、バリューチェーン内の特定の活動から得られたわけではないデータです。業界平均データ(公開データベース、政府統計、文献、業界団体などから得られたデータ)、財務データ、代理データ、その他一般的なデータが含まれます。場合によっては、企業はバリューチェーンのある活動からの特定のデータを使って、バリューチェーンの他の活動のGHG排出量を推定することもあります。このようなデータを代理データと呼び、二次データとみなされます。

データ選択の方法

スコープ3のインベントリの品質は、GHG排出量の算出に使用したデータの品質に依存します。インベントリが、報告企業のGHG排出量を適切に反映し、報告企業の目標達成をサポートし、ステークホルダーの意思決定ニーズに応えるものとなるためには、十分な品質のデータを収集する必要があります。

「1.データ収集の優先付け」でスコープ3の活動に優先順位を付けた後、報告企業は以下の点を考慮して、データを選択するべきです。

・一次データおよび二次データの入手可能性

・利用可能なデータの品質

報告企業は、スコープ3のGHG排出量を算定するために、一次データと二次データをどのように組み合わせても良いとされています。ただし、一般的に、優先度の高い活動については、質の高い一次データを収集すべきです。場合によっては、一次データが入手できなかったり、十分な品質が得られなかったりすることもあります。そのような場合には、二次データの方が利用可能な一次データよりも質が高くなり、二次データを使うべきと言えます。

また、データの選択は目標に依存します。報告企業の目標が、GHG削減目標の設定、バリューチェーン内の特定のオペレーションのパフォーマンスの追跡、またはサプライヤーの関与である場合は、一次データを選択すべきです。一方で、報告企業の主な目標が、さまざまなスコープ3の活動の相対的な大きさを理解し、ホットスポットを特定し、一次データ収集の取り組みに優先順位をつけることであれば、二次データを選択すべきです。

データの品質は、以下の5つの指標で決定できます。

技術的代表性

データセットが、実際に使用されている技術をどの程度反映しているか。

時間的代表性

データセットが活動の実際の時間(例:年)または年齢をどの程度反映しているか。

地理的代表性

データセットが活動の実際の地理的な場所(国や場所など)をどの程度反映しているか。

完全性

データが関連する活動を統計的に代表している度合い。完全性には、特定の活動に関連する総数のうち、データが利用可能で使用されている場所の割合が含まれます。完全性は、データの季節的およびその他の通常の変動にも対応します。

信頼性

データを得るために使用された情報源、データ収集方法および検証手順がどの程度信頼できるかを示します。

それぞれの指標の評価基準の例を以下に示します。

データの品質の評価基準

Corporate Value Chain(Scope3)Accountingand Reporting Standardを参考に作成

上図はあくまでも一例であり、すべてのデータに画一的に当てはまるものではありません。例えば、燃料の排出係数の中には、長年に渡って大きな変化がないものもあり、その排出係数が10年以上前のものだったとします。上図では「悪い」と評価されますが、実質的には6年未満の排出係数とデータ品質が変わらない場合もあります。報告企業は、このようなデータの個別事情を考慮する必要があります。

3.データギャップの解消

報告企業が、入手可能なデータの質を評価した結果、十分な品質のデータが入手できない場合、ギャップを埋めるために代理データを使用することができます。代理データとは、類似の活動から得られたデータで、所定の活動の代用として使用されるものです。代理データは、与えられた活動をより代表するように、外挿、拡大、またはカスタマイズすることができます。

代理データの例としては以下のようなものがあります。

・ウクライナの電力の排出係数は存在するが、モルドバの電力の排出係数は存在しない場合、ウクライナの電力の排出係数をモルドバの電力の代用として使用します。

・ある会社は、ある製品カテゴリーの生産量の80%についてGHG関連のデータを収集しているが、20%については不明です。未知の20%は既知の80%と同様の特性を持っていると仮定し、外挿法を用いて100%の生産データを推定します。

4.時間をかけてデータの質を向上させる

データの収集、データ品質の評価、およびデータ品質の改善は、反復的なプロセスです。報告企業はまず、データソースを選択する際に上で紹介したようなデータ品質指標を適用してデータ品質を評価します。そして、実際にデータが収集された後、同じデータ品質評価手法を用いてインベントリに使用するデータの品質を見直すべきです。

スコープ3のデータ収集を開始した当初は、入手可能なデータが限られているため、報告企業は比較的低品質のデータを使用する必要があるかもしれません。しかし、時間の経過とともに、報告企業は低品質のデータを利用可能になった高品質のデータに置き換えることで、インベントリのデータ品質の向上を図るべきです。

特に、企業は以下のような活動について、データ品質の改善を優先すべきです。

・比較的低いデータ品質

・比較的高いGHG排出量に関連するデータ品質

「スコープ3基準」に準拠した報告

報告書に必須の事項

報告企業は、「スコープ3基準」の報告書に以下の情報を公表しなければなりません。

・GHGプロトコル企業基準に準拠したスコープ1およびスコープ2の排出量報告書

・報告されたスコープ3排出量の総計

・カテゴリー別に報告されたスコープ3の総排出量

・スコープ3のカテゴリーごとに、生物起源のCO₂を除くGHGs(CO₂、CH₄、N₂O、HFCs、PFCs、SF₆)の総排出量をCO₂換算トンで報告し、オフセットや排出枠の購入、売却、譲渡などのGHGトレードとは無関係に報告すること

・インベントリに含まれるスコープ3のカテゴリーおよび活動のリスト

・インベントリから除外されたスコープ3のカテゴリーおよび活動のリストと、除外された理由の説明

・基準年が設定されている場合、スコープ3の基準年として選択された年、基準年を選択した理由、基準年の排出量再計算方針、基準年の排出量再計算方針に沿った基準年のスコープ3のカテゴリー別排出量、基準年の排出量再計算のきっかけとなった重大な排出量の変化についての適切な背景

・スコープ3のカテゴリーごとに、個別に報告された生物由来のCO₂排出量

・スコープ3のカテゴリーごとに、排出量の算出に使用した活動データ、排出係数、GWP値などのデータの種類と出典の説明、および報告された排出量データの品質の説明

・スコープ3のカテゴリーごとに、スコープ3の排出量を算定するために用いた方法論、配分方法、および仮定の記述

・スコープ3のカテゴリーごとに、サプライヤーまたはその他のバリューチェーンパートナーから得たデータを用いて算出した排出量の割合

報告書に任意の事項

以下は、必要に応じて任意で「スコープ3基準」の報告書に含むべき追加情報です。

・関連性と透明性を高めるために、排出量データをさらに細分化する(例:ビジネスユニット、施設、国、排出源の種類、活動の種類など)

・関連性と透明性を高めるために、スコープ3のカテゴリー内でさらに細分化された排出量データ(例:カテゴリー1の購入材料の種類ごとの報告、カテゴリー11の販売製品の種類ごとの報告)

・スコープ3のカテゴリーに含まれないスコープ3の活動からの排出(例:会議やイベントへの出席のための移動)は、別途報告(例:スコープ3の「その他」カテゴリー)

・温室効果ガスの排出量を個別のガスごとにメートルトンで報告

・CO₂、CH4、N₂O、HFC、PFC、SF6 以外のGHGでIPCCにより100年後のGWP値が特定されているもののうち、企業のバリューチェーンで排出される範囲のGHG(CFC、HCFC、NF₃、NOX など)の排出量、およびインベントリに含まれる追加のGHGのリスト

・報告年度における報告企業の活動により発生が予想される将来のスコープ3排出量とは別に報告された、過去に発生した歴史的なスコープ3排出量(例:事業活動で発生する廃棄物、販売した製品の使用、販売した製品の使用後の処理)

・数値化されていない排出源に関する定性的な情報

・スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量とは別に報告された、GHGの吸収または除去に関する情報

・スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量とは別に報告された、プロジェクト方式(例:プロジェクト算定のためのGHGプロトコル)で算出されたプロジェクトベースのGHG削減量に関する情報

・スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量とは別に報告される、回避された排出量(販売された製品の使用によるものなど)に関する情報

・データの品質に関する定量的な評価

・インベントリの不確実性に関する情報(例:排出量推定値の不確実性の原因と大きさに関する情報)およびインベントリの質を向上させるために実施している方針の概要

・保証の種類(当事者または第3者)、保証提供者の能力、および保証提供者が発行した意見

・関連するパフォーマンス指標および強度比

・スコープ3の削減目標、サプライヤーエンゲージメント戦略、製品のGHG削減の取り組みなど、企業のGHG管理・削減活動に関する情報

・サプライヤー/パートナーの関与およびパフォーマンスに関する情報

・製品のパフォーマンスに関する情報

・内部および外部のベンチマークに照らし合わせたパフォーマンスの説明

・インベントリ境界外からの排出枠やオフセットなどのGHG削減手段の購入に関する情報

・インベントリ境界内の排出源での削減量が、オフセットとして第三者に売却/譲渡された場合の情報

・GHG関連のリスクや義務に関する契約上の規定に関する情報

・スコープ3の基準年の排出量再計算のきっかけとならなかった排出量の変化の原因についての情報

・スコープ3の基準年度から報告年度までのすべての年度のGHG排出量データ(必要に応じて、再計算の詳細と理由を含む)。

・データの背景を説明するための追加的な説明

以上、長くなりましたが「スコープ3基準」の解説です。ぜひ「企業基準」と併せて参考にしてみてください。

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